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夜間救急で病院へ [にんぷっぷ]


病院から帰宅後。

食欲もあまりなかったものの、薬を飲むために果物を少し食べて、
処方してもらった薬を飲んで、横になっていました。


頭の中では

この下腹部痛は、妊娠が原因なのか。
だとしたら、この妊娠はどうなるのか。

妊娠が原因でなかったとしたら、何が考えられるのか。
それによって妊娠に与える影響はないか。

ずっとずっと考えていました。
体は休めても、気持ちは全く休まらないまま。

薬も、すぐに効果が出るわけではないと思っていたけど、
ちっとも痛みが引かなかったから、ますます不安に。


痛いなぁ・・・痛いなぁ・・・
この薬はいつ頃効き始めるんだろうなぁ・・・
と思いながら、夕食もとれず横になっていて、
目が覚めて気がついたら、激痛になっていました。

おなかを抱えてうずくまっていないとどうしようもないほど痛くて、
寒くて体が震えて、
気分が悪くて、
本当に怖かった。

寝室からだんなっちのいる居間にやっとの思いで移動して、
もう一度受診したい!とお願いしました。

時間は夜9時頃だったと思います。この時間では夜間救急の扱いです。
さすがにだんなっちも一人では・・・
すぐに電話を手にとって、蘭州に来てから知り合った、
蘭州にご家族でお住まいの日本の方(以下lanpatternさん)に協力を求めてくれました。
そして、ありったけのお金をもって、タクシーで病院へ。

5月だというのに、私は何枚も重ね着して、ブランケットをおなかに抱えて、
寒さと痛さにぶるぶる震えながらタクシーに乗りました。



病院に着くと、既にlanpatternさんは来てくださっていました。

救急の窓口へ到着して、昼間も受診していることを伝えると、
『産婦人科なら、この棟ではなくて別棟の○階へ』と。

おなか抱えて、頑張って歩きました。
痛いけど、寒いけど、歩かなくっちゃ診てもらえない!!

やっとたどり着いた産婦人科病棟で、
私は廊下の椅子にやっと座ることができて、
おなかを抱えて丸まっているのが精一杯。

だんなっちとlanpatternさんで、当直の医師と看護師に状況を説明してくれました。
昼間の受診内容とそれからの経過、今の症状。
私の頭の中は、『あああぁぁ・・・おなかいったぁいぃ~~~ぐおぉぉぉ・・・寒いぃぃ・・・』
何も考えられませんでした。
だんなっちとlanpatternさんが、慣れない病院しかも産婦人科で頑張ってくださっている姿を
ただただ見ているだけで精一杯。


で。
まず最初に、血液検査をする話になったとのこと。
『血でも何でもいくらでもとってくれぇ~~~・・・早くこの痛みをとってぇ~~~・・・』
と思ったら、

『血液検査は、さっきの(救急の窓口がある)病棟だから、
 検査に行ってきてください。』

は?
はぁ?
はぁぁ??

ここじゃ血ぃとれないのかい?
私の状況、見てわからないのかい?
またあれだけ歩いたら、もうホントに痛くて死ぬ!!

と思いました。


結局、移動せずにその病棟で血を抜くことになったのですが、
何をするにも前払い。

検査料金支払窓口へ行って、領収書をもらって来るようにとの指示。
ここは入院病棟らしく、検査室などはすべて外来病棟にあるらしい。
だんなっちが指示された場所へお金を持って走りました。
一度1階フロアまで降りて、その場所まで。

私は、やっと病棟の処置室のような場所へ通されて、
やっと横になることができましたが、痛みも寒さもピークで、
冷や汗かきながら、唸ってうずくまっていることしかできませんでした。
そんな中で、lanpatternさんはずっと背中をさすってくださっていました。

だんなっちが息を切らして戻ってくると、領収書を確認して、採血。

そしたら!
『これ(採血した試験管)を検査室まで持って行って、結果をもらってきて。』と。

だんなっち、血ぃ持ってまた走る!
私は、唸ってうずくまる!

しばらくして、だんなっちが戻ってきて、結果を見て、

『白血球の値が標準範囲ではないから、盲腸かもしれない。
 でも、子宮外妊娠も考えられない訳ではない。
 それか、風邪の菌でもおなかに入ったか。。』

とりあえず、昼間の受診ではまだ無理だと言われたけれど、
超音波検査で子宮内と盲腸あたりを見てみることに。

・・・産婦人科病棟の処置室なのに、ここに超音波検査の機器がない!
  はぁっ??

だんなっちは検査料金を支払いにまた走り、
その後、超音波検査室へおなかを抱えて歩いて移動。。

この移動を頑張れば、少なくともおなかの状況がわかるはず!
運が良ければ、子宮内での着床の状況もわかる!!
がんばれ!私!!

仮眠中の検査技師を起こして、検査をお願いすると・・・

『・・・うーん。はっきり見えない。
 膀胱に尿が全然たまってないから、キレイに見えない。
 たくさん水飲んで、おしっこ我慢して、もう我慢できないっ!て程までたまったら
 また呼びにきてくれる?』 と。

あのー・・・朝から気分が悪くて、果物ひとくち以外食べられなかったんです。
胃、からっぽなんです。
どんだけ水飲んだら胃を通って膀胱まで到達するんでしょう??


その頃、lanpatternさんが現地の中国人女性を呼んでくださっていました。
男2人より、やっぱり現地の出産経験のある女性を。と、お気遣いくださったのです。
本当はlanpatternさんの奥様をと思ってくださったのだそうですが、
体調を崩していらして、その女性に連絡をとってくださっていたのでした。

確か、この時点で深夜0時に近かったと思います。
私はとにかく水!水!水!!飲んで!飲んで!飲んで!!
500mlのペットボトルで4~5本飲んだような覚えがあります。
おしっこは我慢!我慢!!

からっぽだった体に水が入って、
やっと検査してもらえそうな膀胱の具合に。

おなかの上に超音波の器具を置かれるだけで、
口から水がピューッと吹き出しそうなぐらい、水で満腹でした。。

来てくださった女性も一緒に検査室に入ってくださって、
検査の状況をきちんと聞いてくださいました。

検査の結果は、
子宮内に着床しているから妊娠は確実、子宮外妊娠はない。
盲腸あたりに目立った異常も見あたらない。

とのこと。
次に、尿検査のために検査室のある病棟へ移動。


その結果をもって産婦人科病棟へ戻ると、
産婦人科ではこれ以上確認することはないから、
盲腸の疑いを確認するために外科へ行くよう指示が出ました。


しかし、その頃。気がつけば、
あれ?おなか痛くなくなってきてる・・・普通に歩けてる・・・
何でだ?何でだ??水か?大量の水分のおかげ??
水分補給したことで、崩れていた調子が戻ってきたのか?

妊娠が確実になったことは本当に嬉しかった!!
痛みが無くなってきたことは、本当に嬉しかった!!

でも微かには感じる痛み。
外科でおなかの上からグイグイ押されて、微かな痛みを訴えると、
『血液検査の結果を見ても、盲腸の疑いはあるから、
 点滴打って帰りなさい。数日間点滴打ちに通いなさい。』と。



救急病棟に戻って、点滴を始める前にアレルギー反応のテストを。
腕の内側に、ちょっとずつ注射して反応をみるのですが、
最初の数種類がすべてアレルギー反応。
次の数種類もすべてアレルギー反応。
私、そんなにアレルギー体質だったかしら?

反応を判断するまで数十分の待ち時間もあり、それが数回繰り返されているわけで、
すでに時間は夜中の3時に近かったように思います。

おなかの痛みもほとんど消えていて、
今この状況に点滴は必要か?というほどに回復していました。
長時間痛みと寒さの震えと戦った体は疲れ切っていました。
とりあえず、もう帰ろう。ということに。

もう痛みの症状もないし、帰る。と救急の看護師に伝えると、
それにも医師の許可が必要とかで、なかなか事態が動かない。
その許可を出す医師が帝王切開の手術に入ったとかで、時間が読めない。。

それでも何度か現地の女性が掛け合ってくださって、
帰宅することになりました。



lanpatternさんと途中から駆け付けてくださった女性の存在は、
私はもちろんのこと、だんなっちにとっても非常に心強かったようです。
突然のことで、最後の最後まで助けていただいて、感謝してもしきれません!
夜明けの直前までの長い時間、本当にありがとうございました。


この1日で経験した思いから、
私はこの約2週間後に慌てて1人で帰国したわけです。


蘭州から北京まではだんなっちが見送りに来てくれて、
北京から成田へは1人で。
まだまだちっちゃな赤ちゃんのたまごをおなかに抱えて、
飛行機に乗りました。

帰国が土曜日だったので、翌週月曜日には日本の産婦人科を受診。
元気な拍動も確認できて、幸せでした[かわいい]


パパもママも赤ちゃんも、がんばりやさんだったこと。
蘭州でかけがえのない人々に出会って、とてもお世話になったこと。
今こうして史織が無事に生まれて、笑顔をふりまいてくれる幸せを
ずっと忘れずにいたいと思います。



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こまちゃん

この3話を読むと、ホント中国人が可哀想です。
金だけイッチョ前に取るくせに、其の実そんなに実力はない。北京と上海、広州などの3大都市以外には、優秀な医者が滞留したがらないことが原因。医者としての基本理念はどうなっているのでしょう。
先日、日本で「北京同仁病院」のドキュメンタリーをやっていましたが、やはり「一般労働者」には分厚い壁なのが医療費。お金がないと命も繋げないのか・・・と改めて感じました。17人大で、首脳陣は「出稼ぎ労働者にも保険制度を」と懸案をまとめ、しっかりと世界のメディアに対して発表しましたが、その前に、支払うべき費用がないのに、そんな保険制度の意味が成さない。
中国は好きだけど、こう言う人権無視な思考回路を疑わざるを得ない。
こまは、何回も病院へは出かけてるんですが(付き添いが多い)、もう、ほんと、どうにもこうにも「病人の立場」になんか立ってないですね。都会でも、建物も設備も「最先端」になっていますが、病人の苦痛をイマイチ理解していない(貧乏市民の苦労なんて、考えようともしてないのでしょうけど)感じ。
見栄えが「綺麗」だけ。

「帰国して生む!」と言うのを見た時、こまはブログに向かって拍手していましたし、中国人の爺ぃも「正解じゃ!」と言ってました。
まだまだ未熟。OLするのもまだまだ早すぎ。8月の北京はデインジャラスですね(そう言いながら、北京に居ますけど(7日出発))。
今日、北京で日本大使館員が襲われて、2週間のケガを負いました。
何かしら問題を起こしてでも、「OLなんてしたくない!」と言う市民の気持ちが、変な手段で現れ始めている気がします。
中国、どうなって行くのでしょうか・・・
by こまちゃん (2008-07-05 00:58) 

kayosuke

こまちゃんさん。私も北京同仁病院のドキュメンタリー見ました。
もう、私の中でいろんな感情が複雑に絡み合ってしまって、
最初から最後まで何とも言えない気持ちで見ていました。
夜も明けていない早朝に、史織より数ヶ月大きいであろう乳児を抱いて並ぶ親子が
目に入って、胸が締め付けられました。
実は、コレがきっかけで色々と思い出してしまって、記事にしたんです。
文化の違い。習慣の違い。命に対する考え方の違い。などなど。
大事なことを肌で感じてきたんだから、記録に残そうと思いました。
これでも私は、上っ面しか見てこなかったと思います。
中国は、どういう国なのか。私はわかりきれていません。。


by kayosuke (2008-07-21 21:48) 

ドレス屋の老板

大変ご無沙汰しています。
お子さんが可愛くて可愛くて
どうしようもない様子が目に浮かんできます(笑)

中国で生活する上でこの病院というのは
かなり頭が痛いんですが、でも避けて通れない
んですよねぇ。
去年女房が膝間接を骨折した時にkayosukeさんと
同じ病院に救急で連れて行ったのですが
女房がとにかく歩けない状態で私がその辺にある
ストレッチャーを持ってきて使用していたら
看護士がすっ飛んできて
「保証金100元ちょうだい、あとで返すから」
と言われて。。

下の息子が4歳の時に、飴についていたプラスチック製の
棒を飲み込んでしまったと言って、慌てて救急に行ったら
受付で
「心配ないよ、先週同じようなお子さんがお箸を飲み込んだんだけど
ちゃんと下から出てきたし」
と言われて追い返されそうになったりと。。
でも、この受付の人はまだ研修生だったらしくて
私がぶち切れて首根っこひっ捕まえて連れてきた医師に
「こういう場合はレントゲン撮ったりちゃんと検査させんかい!」
と怒鳴られていましたけど。。


でもまぁ、ぼやいてもしょうがないので
家族が大きな病気や怪我をしないように
毎日祈るばかりです。

今年の蘭州は暑いですよぉ。
クーラー買えばよかったなと。
毎年同じこと言っていますが。。

ではでは




by ドレス屋の老板 (2008-07-31 12:28) 

kayosuke

ドレス屋の老板さん。コメントありがとうございます☆
その節は本当にお世話になりました。ありがとうございました。
おかげさまで今の親バカ生活が楽しめています♪

しかし、飴の棒を飲み込んだのに…その対応はヒドイ!こわい!!!
ホントに私たちの国では考えられない対応や会話があって、驚かされます

どうぞご家族の皆さんが病院になるべくお世話にならずに健康に過ごせますように。。
by kayosuke (2008-08-10 21:34) 

rinda

そんなことがあった上でのご出産。
親ばかでもなんでもOKです!

上海はまだましなんでしょうが、やはり何かあったら日本に戻ったほうが無難なのでしょうね。。。
初産となると尚更かぁ。
by rinda (2008-08-13 22:36) 

kayosuke

rindaさん。お久しぶりです!コメントありがとうございます☆
結果的に、蘭州には妊娠が判明してから1ヶ月ほどの滞在でしたが、
一時は『もし恵まれれば、中国で妊娠・出産もアリかなぁ~♪』なんて
思ったこともあって、今思えば危険な選択をするところでした^^;
日本じゃできない経験だったから、忘れられません。
娘が生きている限り、きっと忘れられないと思います。

by kayosuke (2008-09-16 20:32) 

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